あなたは建物の外壁に手を触れた際に、白い粉が手につく現象に遭遇したことがあるでしょうか？

これは「チョーキング現象」として知られ、外壁塗装が劣化する兆候の一つです。

チョーキング現象は、住宅の外壁でよく発生し、この現象を目撃したら、外壁塗装を行うタイミングです。

本記事では、外壁塗装におけるチョーキング現象の原因、起こりやすい場所、そして確認方法について詳しく説明します。

 

外壁のチョーキング現象とは

外壁の劣化症状の一つ、チョーキング現象について詳しく解説します。

 

チョーキング現象とは

チョーキング現象は別名「白亜化現象」と呼び、外壁を触った時に白い粉が手に付く現象です。

外壁塗料の樹脂成分が紫外線や降雨により分解され、顔料が粉状に戻って外壁表面に現れます。

チョーキング現象は、防水機能が弱まっていることを示すため。建物の保護能力が低下しています。

 

チョーキングの発生時期

通常、チョーキング現象は外壁塗装後の7～15年でよく見られます。塗料の耐用年数に依存しており、多くの場合、塗料の寿命が尽きる1～2年前に発生します。

この時期には塗り替えの計画を立てることがおすすめです。

 

チョーキング現象の原因を解説

チョーキング現象は、主に経年劣化や施工不良が原因で起こります。

 

経年劣化によるチョーキング

経年劣化はチョーキング現象の主な原因です。

外壁塗装は紫外線の影響を直接受け、日々の雨風に曝され続けるため、徐々に劣化していきます。

特に紫外線により塗料の樹脂成分が分解し、顔料が粉状となって表面に現れるのがチョーキング現象です。

この場合、新たな外壁塗装での補修が必要です。

 

施工不良によるチョーキング

一方、施工不良によるチョーキングもあり得ます。

 

・塗料の希釈が不適切

・撹拌が不十分

・塗布量が不足

・乾燥時間の不足

 

上記のように、さまざまな要因が絡み合って生じます。

施工不良によるチョーキングは通常、塗装後1〜3年で顕著になることがあります。

早期に発生したチョーキングを発見した場合は、施工保証を確認し、業者に対応を求めることが重要です。

 

チョーキング現象が多く見られる場所

チョーキング現象は特に日当たりが良い場所で多く発生します。

チョーキングが外壁塗装の樹脂成分が紫外線の影響で分解されることによって生じるからです。

一般的に、建物の南側や西側の外壁は日光により強く影響を受けやすく、チョーキングが発生しやすい傾向にあります。

また、上層階の方が日光にさらされる時間が長いため、1階よりも2階の外壁でチョーキングを目にすることが多くなります。

 

チョーキング現象のセルフチェック方法

チョーキング現象のセルフチェック方法は簡単に行えるため、定期的な確認がおすすめです。

外壁塗装の劣化を早期に見つけられます。

 

手で触る

外壁を手で触った際に手に粉が付くかどうかを確認します。

最も一般的なチェック方法です。手に付く粉は通常白いことが多いですが、塗装の色によっては茶色やベージュ、黒っぽい粉が付く場合もあります。

確認する際は、特に日当たりがよい壁面で行いましょう。

 

外壁を濡らして色の変化を確認

外壁に水をかけて色が変わるかどうかを観察します。

チョーキングが発生している場所は、水をかけると色が変化しやすいです。

水に濡れた部分と乾いた部分で色が明確に違う場合は、チョーキングが進行しているといえます。

 

チョーキング現象を放置するとどうなるか

放置したチョーキング現象がもたらす不具合は、外壁の保護機能が失われることによって発生します。

具体的には以下のような問題が生じる可能性があります。

 

コケ・藻・カビの発生

チョーキング現象は外壁塗装の防水機能が低下している証拠です。

この機能が損なわれると、外壁が水分を弾かずに吸収し、結果的にコケや藻、カビの発生を促進します。

コケやカビが成長すると、外壁の美観は損なわれるだけでなく、外壁の劣化を加速させることにもなります。

外壁に根付くと、除去が困難になる場合がほとんどです。

 

外壁のひび割れの問題

外壁塗装の防水機能が低下し、外壁材自体に水分が浸透すると、ひび割れが生じるリスクがあります。

ひび割れから雨水が侵入すると雨漏りにつながり、その結果住宅の安全性にも影響を及ぼすことがあります。

 

塗膜の剥がれの影響

外壁塗装がさらに進行すると、塗膜の剥がれや浮きが発生することがあります。剥がれた部分は外壁が露出しているため、雨水が浸入し雨漏りの原因となります。

建物の内部構造を腐食させるおそれがあり危険です。

小さな剥がれでも、放置するとその隙間から水が浸入し、塗膜がさらに浮き上がります。

剥がれが拡大する可能性があるため、早めの対処がおすすめです。

 

チョーキング現象の補修方法

外壁にチョーキングが起こった場合、塗装により補修します。

 

高圧洗浄

補修作業の初めに、外壁に付着した汚れやコケ、カビを高圧洗浄で徹底的に洗い流します。

この工程で剥がれかけの塗膜も一緒に除去します。

 

高圧洗浄後の処理

高圧洗浄後は、錆の除去やひび割れの補修です。外壁の状態を整え、塗装の前準備を行います。

 

下塗り作業

外壁塗装は基本的に三層で行われます。最初の下塗りでは、シーラーやプライマーを使用して外壁の素材と塗料の接着を強化します。

 

中塗りと上塗り

中塗りと上塗りは同じタイプの塗料を使用し、2回塗りです。お好みの色を選び、建物の外観を美しく仕上げます。

 

塗膜の形成

中塗りと上塗りを行うことで、十分な厚みの塗膜が形成され、外壁の防水性と耐久性が向上します。

将来的な劣化を防ぎながら、外壁の機能性を保持できます。

 

チョーキング現象が起こったら外壁塗装を検討する

チョーキング現象が外壁塗装の警告サインです。

チョーキングは、塗装の劣化が表面化している状態であり、すぐに雨漏りへとつながるわけではありませんが、放置すると外壁自体の劣化を加速させ、最終的には重大な損傷を引き起こす可能性があります。

外壁塗装の劣化を定期的にチェックすることが重要です。

手で外壁を触って白い粉が手に付くかどうか確認し、チョーキングの兆候を見つけたら、塗装のタイミングです。専門の業者に依頼して早めに塗り替えを行うことをおすすめします。