ー外壁塗装に使われる防水塗料の種類と性能を紹介ー
- 2024.06.14
外壁や屋根の塗装で重要なのは、塗料の選定です。
特に外壁塗装で防水性能が求められる場合、防水塗料の選定は慎重に行う必要があります。
防水塗料と一口に言ってもその性能はさまざまで、正しく使用することで建物を雨漏りや水損から守ります。
この記事では、建物のメンテナンス時に選ばれる防水塗料の主要なタイプとそれぞれの性能について解説します。
防水塗料の選び方についても紹介しますので、塗料選びの参考にしてください。
外壁塗装に使用される防水塗料の主要なタイプ
外壁塗装における防水塗料には、以下の種類があります。
・ウレタン塗料
・アクリル塗料
・シリコン塗料
・フッ素塗料
それぞれの塗料の特徴をご説明します。正しく理解し、使用場所に適した塗料を選びましょう。
ウレタン塗料(耐用年数:7~10年)
ウレタンを基材とした塗料は、防水性が非常に高いことで知られています。
防水工事によく使用されるだけでなく、紫外線耐性や耐久性にも優れています。
雨や雪、強風などの外部環境に強い耐候性を持ち、さまざまな気候条件下で使用できる点が特徴です。
アクリル塗料(耐用年数:5~8年)
アクリル塗料は、水性であり、しっとりとしたマットな仕上がりが特徴の防水塗料です。
水分や外部の気象条件に対する耐性があり、速乾性があるため施工期間を短縮できる利点があります。
以前は外壁塗装に広く使用されていましたが、耐用年数が比較的短いため、現在は他の塗料が主流となっています。
シリコン塗料(耐用年数:10~15年)
シリコン塗料は、その成分にシリコンを含んでおり、優れた耐久性と美しい仕上がりを提供します。
リーズナブルなコストで高いパフォーマンスを実現し、広く採用されているところがシリコン塗料のよさです。
ひび割れに対する弾性に欠ける点はデメリットですが、コストと品質のバランスがよく、多くの方に選ばれています。
フッ素塗料(耐用年数:15~20年)
フッ素を含む塗料は、優れた耐候性と耐水性を持ち、防水性能が非常に高い塗料として知られています。
特に公共施設などの大規模建築物に多用され、再塗装の際にも選ばれます。
他の防水塗料と比較しても耐用年数が約20年と長く、1.5~2倍の持続性がある点が魅力の一つです。
デメリットとしてはコストが高い点が挙げられますが、防水性能を重視する場合にはおすすめです。
防水塗料を選ぶポイント
防水塗料を選ぶ際には、カラーバリエーションやコストに加えて、以下の点を考慮することが重要です。
・耐用期間
・性能
・適用箇所
それぞれ詳しく解説します。
耐用期間
耐用期間は防水塗料ごとに異なります。
たとえば、フッ素塗料は約20年持続するのに対し、アクリル塗料の耐用期間は10年未満です。
建物の再塗装サイクルを考慮し、適切な塗料を選択することが肝心です。
性能
防水塗料の性能において、ひび割れへの対応能力や耐候性は重要なポイントです。
塗料の弾性が高いとひび割れに強い反面、劣化時に水膨れなどのトラブルが起こるリスクもあります。
慎重に選ぶ必要があります。
適用箇所
同じ屋外環境でも地域の気候条件は異なります。
たとえば、海沿いの潮風や雪国の厳しい寒さにも耐えられる塗料を選ぶことが大切です。
こうした耐候性については専門知識が必要になるため、外壁塗装の専門業者と相談しながら選定するようにしましょう。
塗装をする範囲
施工する面積によって必要な塗料の量が変わるため、塗装する範囲の広さは防水塗装の費用に直結します。
確実に防水効果を得るためには、塗膜に一定の厚みを持たせる必要があり、塗装場所による例外はありません。
各塗料の必要量は製品によって異なるため、面積を正確に測定し、予算内で使用可能な塗料を選ぶことがポイントです。
色の選定
色の選定は、建物の外観にマッチする色を選ぶことが大切です。
防水塗料は外壁など目立つ部分に使用されることが多いため、建物全体の雰囲気に合った色を選びましょう。
ただし、塗料の種類によっては色の選択肢が限られる場合もあるため、選んだ塗料のカラーバリエーションを事前に確認しておくことが重要です。
防水塗装成功のための注意点
防水塗装を行う前に、以下の点に留意しましょう。
・防水塗料が適さない外壁素材もある
・外壁塗装の施工回数
・塗装工事の期間
以下に詳しくご説明します。
防水塗料が適さない外壁素材もある
特定の外壁材に対して防水塗装が適さない場合があります。
たとえば、窯業系サイディングは、その蓄熱性の高さから水蒸気を発生させやすく、塗装が膨張してしまうリスクをともないます。
窯業系サイディングに防水性を求める場合は、専門の外壁塗装業者と相談して、慎重に塗料を選択することが重要です。
外壁塗装の施工回数
通常、外壁塗装には下塗りと上塗りの2回の塗布が行われます。
しかし、防水機能を十分に高めるためには、最低でも「三度塗り」が必要です。
下塗り1回、上塗り2回の計3回塗布することが推奨されます。
これにより、塗布のムラを防ぎ、外壁を均一かつ美しく仕上げられます。
一部の不誠実な外壁塗装業者は、二度塗りで作業を終了させたり、塗料が十分に乾燥していないうちに次の塗装を行ったりすることがあります。
見積もり時には提案される作業内容や工程が適切かどうかを確認しましょう。
工期の目安
外壁塗装の標準的な工期は、およそ1週間から2週間程度です。
見積もりで提示される工期がこれよりも著しく短い場合、適切な「三度塗り」が行われていない可能性があるため、注意が必要です。
正確な工期を把握し、質の高い施工を受けるためにも、信頼できる業者を選びましょう。
まとめ
防水効果を持つ外壁塗料の使用は、建物のメンテナンス頻度を減らし、構造体を保護するための効果的な方法です。
今回ご紹介した主な防水塗料は、建物内部のひび割れ防止や雨漏りの予防にも有効で、外壁の耐久性を向上させられます。
ただし、防水塗料の選定には、既存の外壁素材との相性や、さまざまな要因を総合的に判断する必要があります。
専門的な知識が求められる場合もあるため、迷った際には専門業者に相談がおすすめです。
適切な塗料選びと施工で、建物を長持ちさせましょう。
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