外壁塗装は、リフォームや建築時に行われる重要な工程の一つです。

一般的には、塗料のみを塗布するというイメージがありますが、実際には外壁の耐久性を向上させるために、プライマーやシーラーなどの特殊な塗料を使って下塗りを行います。

しかし、下塗りの重要性がわからなければ、施工中に確認したり優良な業者か見分けたりすることはできません。

今回は、外壁塗装における下塗りの重要性について解説します。

また、下塗りに関する知識を身につけることで、外壁塗装業者を選ぶ際の基準や施工上の問題を見抜くことができるので、ぜひ最後までお読みください。

 

外壁塗装における下塗りの役割とは？

外壁塗装における下塗りは、外壁塗装に必要不可欠な工程です。

外壁塗装における下塗りは、リフォームなどの場合、洗浄などを行ったあとに下塗り用の塗料を塗布して施工されます。

この下塗りが外壁全体に行われたあと塗布するのが、中塗り、上塗りといった、通常の外壁塗装に使用される塗料です。

また、下塗りの塗料にはプライマーやシーラーといった一般的な塗料や、フィラーと呼ばれる粘性のある塗料などの種類があります。

 

完成後の確認が難しい

下塗りは、中塗りや上塗りによって完全に塗装され、外から見ても確認することはできません。

そのため、施工後には下塗りが適切に行われたかどうかを把握することが難しく、施工中に確認することが重要です。

 

外壁塗装における下塗りの重要性

外壁塗装において、下塗りの工程は必須とされています。

その理由は以下の通りです。

 

・コストを削減する

・下地素材の色を隠す

・下地が塗料を吸収することを防ぐ

・塗料の剥がれを防止する

・塗装の耐久性を向上させる

 

コストを削減する

下塗りは、コストの削減にも効果的です。

下塗りを施工しない場合、中塗りや上塗りに使用する塗料の量が増え、さらに追加の上塗りが必要になる可能性もあります。

外壁塗装用の塗料は下塗り材よりも高価なため、外壁塗装用の塗料の使用量を減らすためにも、下塗りを適切に施工することが重要です。

 

また、下塗りを怠ると強度が低下し、メンテナンス費用が増えるリスクも考えられます。

外壁塗装業者と依頼者の双方が費用を抑えるためにも、下塗り工程は重要といえるのです。

 

下地素材の色を隠す

外壁に下塗りを施すことで、下地素材の色を隠すことが可能です。

住宅は、屋根や外壁の色が少し異なるだけで、まったく違ったデザインになります。

 

下地の色とは異なる色を望んでいる場合でも、下塗りを行うことで元の色を隠すことができ、イメージを変えることが可能です。

たとえば、黒い外壁素材でも下塗りを施すことで、白や青などの他の色に変更することができます。

外壁塗装の自由度を高めるという意味でも、下塗りの工程は重要です。

 

下地が塗料を吸収することを防ぐ

通常、外壁塗装用の塗料を直接下地に塗布すると、下地が急速に塗料を吸収してしまいます。

下地が塗料を吸収すると、塗膜が剥がれ、劣化が早まってしまうため、それを防ぐためには下塗りの工程が欠かせません。

下塗り材の塗料には吸収防止の性質があり、外壁の塗料吸収を抑制します。

 

そして、中塗りや上塗りの前に下塗りを行うことで、外壁塗装がより密着しやすい状態が生まれます。

これにより、外壁塗装用の塗料の使用量を削減したり、表面を滑らかに仕上げることで外観を美しくしたりすることが可能です。

 

塗料の剥がれを防止する

下塗りは、素材の吸収を防ぐだけでなく、上塗りや中塗りの塗料を密着させる役割も果たします。

中塗りや上塗りの塗料を直接使用すると、下地にうまく密着しません。

そのため、下塗りを行わない場合に比べて、塗料が剥がれやすくなります。

塗料が剥がれることで外観が損なわれ、外壁塗装の耐用年数も短くなるため、下塗りの工程は非常に重要なのです。

 

塗装の耐久性を向上させる

耐久性を向上させるという観点からも、外壁塗装の下塗りは重要です。

素材と塗料をしっかり結びつけるだけでなく、外壁への吸収を防ぐ機能は、建物を水浸などの災害から守ります。

 

下塗り工程の重要なポイント

技術力のある外壁塗装業者は、下塗りの際に以下のポイントに注意して施工します。

 

・徹底的な洗浄

・下塗りを完全に乾燥させる

・塗りムラのない施工

 

逆に、これらの工程を適切に行わない業者には警戒が必要です。

 

徹底的な洗浄

下塗りを施す前に、外壁の汚れをしっかりと落とすことが重要です。

外壁塗装を行う前には、まず高圧洗浄によって汚れを取り除く作業が行われます。

この作業では、外壁に付着した汚れやホコリだけでなく、目に見えない微小なコケやカビなども丁寧に洗浄されます。

洗浄作業が不十分なまま下塗りを行うと、下塗りにムラが出たり、下塗り材が剥がれる原因になったりするため、下塗りを行う前には徹底的に汚れを洗浄することが重要です。

 

下塗りを完全に乾燥させる

下塗りが終了したら、十分な乾燥が欠かせません。

下塗りが完全に乾燥することで、中塗りや上塗りの塗料が外壁に密着します。

工期を短縮するために、乾燥時間を不十分にしたり、高湿度の状態で乾燥時間を短縮したりする業者は避けるべきです。

 

また、乾燥した部分とそうでない部分が混在すると、色ムラや塗装の剥離の原因になります。

外壁塗装を美しく仕上げ、耐久性を確保するためにも、十分な乾燥時間を確保することは必要不可欠です。

 

塗りムラのない施工

最後に、塗りムラがないことも重要です。

下塗りは完成直後では目に見えません。

そのため、仕事を早めるために塗りムラのある状態で施工を進めることがあります。

塗りムラがある状態で施工を進めると、トラブルの原因となる可能性があるので、塗りムラがないかどうかは、施工途中に確認しておきましょう。

 

まとめ

下塗りは外壁塗装の作業のなかで、塗料の耐久性や外壁材の負担を軽減する重要な工程です。

耐久性のある長い寿命を持った外壁にするためには、下塗りの工程が欠かせません。

この工程で塗りムラが生じたり、洗浄が不十分で汚れが残ったりすると、将来的にはひび割れが発生したり耐久性が低下したりする可能性があります。

したがって、今回紹介したポイントをしっかりと確認し、外壁塗装業者を選ぶ際の参考にすると良いでしょう。