外壁塗装は家の美観を保つのみでなく、構造体を保護する役割も果たします。

「大切な建物の工事だから外壁塗装の流れを把握しておきたい。」と思う方も多いでしょう。

しかし、外壁塗装の手順は一見複雑で、どのように進んでいるのかわからないことが多いです。

本記事では、外壁塗装の基本的な手順と、塗装作業の注意すべきポイントを解説します。

 

外壁塗装準備

外壁塗装に入る前の準備として3ステップがあります。

 

1.近隣挨拶

外壁塗装工事は、騒音や振動、作業車両の出入りなどで近隣の方々にご迷惑をかけることがあります。

工事開始前には必ず近隣の方々へ挨拶をし、工事の内容と期間、可能ならば何か問題があった場合の連絡先を伝えましょう。

単なるマナーのみでなく、トラブルを未然に防ぐための重要なステップです。

また、挨拶を通じて近隣の方々との良好な関係を築くことで、工事がスムーズに進行することができます。

 

2.足場の設置

外壁塗装の施工は、まず足場の組み立てから始まります。

足場を組むことで、2階以上の高所での作業を、安全に進めることが可能です。

足場の設置は、一般的な戸建てで半日から1日くらいの作業です。

作業後は、メッシュシートと呼ばれる塗料の飛散を防ぐシートで建物全体を囲い、作業中の塗料飛散や落下物による建物の損傷を防ぎます。

洗濯物を干すなど建物外での作業は難しくなるため、布団干しなどは塗装工事前に済ませておきましょう。

 

3.外壁の高圧洗浄

外壁塗装の前に、塗装の品質と持続性を確保するために外壁の高圧洗浄をおこないます。

外壁に付着した汚れや古い塗膜、藻類やカビなどを洗い落とすことで、新たに塗る塗料が外壁に密着し、長持ちする基盤が作られます。

 

外壁塗装施工

外壁塗装の施工は5ステップあります。

 

1.下地処理

高圧洗浄により綺麗になった外壁に、補修材を用いてヒビ割れや穴などのダメージを修復し、塗料が均一に塗布できるようにします。

次に、シーラーを塗布して外壁の吸水を防ぎ、塗料の密着性を高めます。

下地処理が丁寧におこなわれることで、仕上がりの見た目だけでなく、塗装の耐久性も大きく向上するでしょう。

 

2.養生作業

養生作業では、塗料の飛散による周囲への影響を最小限に抑えるため、窓やドア、屋根などの塗装しない部分を養生テープやシートで覆います。

また、庭や駐車場などの敷地内も同様に養生し、塗装作業中の塗料飛散や落下物によるダメージを防ぎます。

 

3.外壁塗装：下塗り

最初の塗装は下塗りです。下塗りは、主に塗料の密着性を高める役割を果たします。

下地処理が完了した外壁に対して、専用の下塗り用塗料を均一に塗布します。

下塗り用塗料の果たす役割は、上塗り用塗料が外壁に密着するための接着剤です。

また、下塗りは上塗り用塗料の色味を均一にする効果もあります。

 

4.外壁塗装：中塗り・上塗り

中塗りは、下塗りに続いておこなわれ、塗膜の厚みを確保し、色の発色を良くする役割です。

次に、上塗りでは、選んだ色の塗料を均一に塗布します。

上塗りが最終的な色となり、見た目のみでなく、雨風から家を守る役割も果たします。

中塗り・上塗りは、塗料の種類や塗り方により仕上がりの質感や耐久性が大きく変わるため、専門的な技術と経験が必要です。

 

5.付帯部の塗装

外壁塗装の際には、外壁以外の付帯部も同時に塗装をおこなうことがあります。

付帯部とは、雨どいや窓枠、バルコニーの手すりなど、家の外壁以外の部分です。

同時塗装により、家全体の見た目を統一し、より美観を高めることができます。

また、付帯部も外壁同様に風雨にさらされているため、塗装による保護が重要です。

 

外壁塗装施工後

外壁塗装施工終了後に次の作業があります。

 

完了検査

完了検査でおこなうことは、塗装の均一性、色の発色、仕上がりの美観、塗装が適切に施工されているかの確認です。

また、付帯部の塗装や養生が適切におこなわれているかも確認します。

不具合があった場合は、すぐに修正作業をおこないます。

完了検査は、依頼主と一緒におこなうことが一般的で、満足度を最大限に高めるための最終ステップです。

 

足場解体

外壁塗装工事が完了し、最終的な検査が終わった後は、足場解体をおこないます。

足場が解体され、元の状態に戻ったら外壁塗装工事は正式に完了です。

 

外壁塗装における注意点

外壁塗装をおこなう上では、次のようなポイントに注意しましょう。

 

外壁塗装中は生活に制限がかかる

外壁塗装工事中は、さまざまな生活の変化があります。

足場や飛散防止ネットで家が覆われるため、室内に光が入りにくくなります。とくに、窓やベランダが養生されると、部屋が暗くなるでしょう。

 

また、室内の換気が難しくなります。とくに夏場には室内の温度上昇につながり、不快感を感じるでしょう。

さらに、室外機裏側の壁を塗装する際には室外機が取り外されるため、エアコンが一時的に使用できないなど、季節によっては暑さ寒さで生活できない可能性もあります。

契約する前に、生活の制限について必ず業者に確認しておくことが大事です。

 

定期的な点検を受けることが大事

家の外壁塗装は、一度おこなえば終わりではありません。

日々の風雨や紫外線などにより、塗膜は徐々に劣化するため、定期的な点検が非常に重要です。

専門の業者の点検を受けることで、早期に劣化の兆候を見つけ、必要な補修や再塗装をおこなうことができます。

定期点検は、外壁の寿命を延ばし、長期的に見て修繕費用を抑えることになるでしょう。

 

信頼できる業者にお願いする

信頼できる業者に依頼すると、適切な材料の選択、丁寧な作業、そしてアフターサービスの充実が期待できます。

また、専門的な知識と技術を持つ業者であれば、家の状態に最適な塗装方法が提案されるでしょう。

しかし、業者選びは容易なことではありません。そのため、口コミや評判、過去の施工例などを確認し、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。

 

まとめ：手順を理解して安心した外壁塗装をおこないましょう

外壁塗装は、手順を理解することで難しく感じるものではなく、安心してお任せできるものとなります。

適切なプロセスを経ておこなわれる外壁塗装は、家の美観を保つのみでなく、長期的な耐久性も向上させます。

注意すべきポイントを参考に、よりよい外壁塗装をおこないましょう。